RIST(高度情報科学技術研究機構)様との共催で、大規模第一原理電子状態計算ソフトRSDFTによる、クラウドコンピューティングを活用した材料シミュレーションの講習会を行います。
RSDFTは「京」および「富岳」のプロジェクトにおいて、物質科学分野の重点アプリの1つとして開発されてきた第一原理電子状態計算ソフトです。一般的な平面波基底関数で実装された第一原理計算ソフトと異なり、「高速フーリエ変換 」 がほぼ不要のため超並列計算機との相性が非常によく、「京」全ノードを用いる計算で実行効率50%を超えるケースもあるほど高い並列性能を有するのが特徴です。2011年には「京」を用いたSiナノワイヤトランジスタに関する数万〜十万原子規模の第一原理電子状態計算により、ACM Gordon-Bell賞最高性能賞を受賞しています。
アカデミックな研究成果として生み出されたソフトウェアは多数存在しますが、それらを継続してメンテナンスすること、さらにはユーザビリティーの向上や、普及活動を行うなど、ソフトウェアを開発した研究者が本業の研究活動とは別にそれらも行っていくのは、あまりにも負担が大すぎるという課題もまた存在します。そんな中、RSDFTは、SaaS(Software as a Service)という形のクラウドサービスとして新たなスタートを切ろうとしています。
本講習会では、クラウドサービスとなったRSDFTを使用し、第一原理材料シミュレーションの基本から応用的なシミュレーションを体験していただき、スパコンとクラウドサービスの将来像に触れる機会をご提供いたします。教育機関(付属する病院、 研究機関)・国や独立行政法人・一般企業の研究開発部門の方のご参加をお待ちしております。
Quloudのご紹介
株式会社Quemix 代表取締役CEO 松下 雄一郎
17:30-17:40
ハンズオンセミナー
1.構造データ読み込み〜モデリング(30分)
2.基本計算(30分)
3.結果の可視化(20分)
4.応用課題(40分)
5.新機能体験デモ(30分)
株式会社Quemix 製品開発部 部長 岩田 潤一
15:00-17:30
Quloud-RSDFTの概要
株式会社Quemix 製品開発部 部長 岩田 潤一
14:25-14:45
実空間密度汎関数理論計算(RSDFTアプリケーション)の成功と将来への展望
名古屋大学 未来材料・システム研究所 特任教授 押山 淳氏
13:35-14:20
「富岳」・HPCIにおける材料シミュレーション
高度情報科学技術研究機構 主査 吉澤 香奈子氏
13:00-13:30
アジェンダ
上智大学にて博士(理学)を取得後、上智大学理工学部特任助教や、東京大学物性研究所特任研究員などを経て、スーパーコンピュータ「京」・「富岳」の登録施設利用促進機関 / 文科省委託事業「HPCIの運営」代表機関である一般財団法人高度情報科学技術研究機構(RIST)に2015年より着任。専門は、物性理論。現在、「富岳」の利用支援業務を行なっている。
1981年東京大学理学博士。その後、東大理学部物理学科、IBM Watson Research Center (NY)、NEC Central Lab(Kawasaki, Tsukuba)、筑波大学 、東京大学、名古屋大学等で計算物理科学、半導体科学、理論物質科学の研究に従事。東京大学名誉教授、筑波大学名誉教授。
筑波大学にて博士(理学)を取得後、産業技術総合研究所 研究員、筑波大学 助教、東京大学 特任講師、計算科学技術系企業 センター長を経て、2021年よりQuemix入社。2011年、ゴードンベル-ピークパフォーマンス賞受賞。クラウド型材料計算プラットフォーム、Quloudの開発者。
東京大学にて博士(工学)を取得後、マックス=プランク研究所(ドイツ) 研究員、東京大学 助教、東京工業大学 特任講師、東京工業大学 特任准教授を経て、現在、東京大学 理学部物理学科 特任准教授に就任。2020年12月より株式会社Quemix代表取締役CEOに就任。
講演者プロフィール
松下 雄一郎
株式会社Quemix
代表取締役CEO
岩田 潤一
株式会社Quemix
製品開発部 部長
押山 淳氏
名古屋大学 未来材料・システム研究所
特任教授
吉澤 香奈子氏
高度情報科学技術研究機構
主査
2023年5月31日(水)
ハイブリッド
①株式会社Quemix 日本橋オフィス セミナールーム
②オンライン
10名程度
無料
教育機関(付属する病院、 研究機関)・国や独立行政法人・一般企業の研究開発部門の方
- ハンズオンセミナーに参加される方は、インターネットに接続可能なPCをご自身でご用意いただくようお願いいたします。